- 隊長
おかしいなあ。
- 勅使河原
どうしました?
- 隊長
-
とすれば、社会的なシステムとしては、インターネット上で批判を受けた者は、自らを公然と批判する者がどこの誰であるのかを──それが正当な批判であれ、不当な批判であれ、批判の名を借りた単なる個人攻撃であれ──知ることができるというものが望ましいのではないかと思います。
私はこれを見て、小倉君の意見を「何に使うかもわからん理由で批判者全ての情報を知ることが出来る」というものだと判断していたのだがそれに対してこんな解答が来てね?
上記引用文中における「知ることができる」という部分が、「住所・氏名を知る」という情報開示を意味しているのではなく、「トレースできる」という同定能力を意味していることが理解できます(「CODE」第五章からの引用文中の「知ることができる」と同義)。
どうも小倉君が知りたいことは住所・氏名ではないという意見らしいのだが。
- 勅使河原
じゃあ、隊長が勘違いなんじゃ?
- 隊長
いや、その前にこれも根拠に上げていたのだが。
ひたすら無題 Ver2.0 無審査で個人情報開示が求められるなお、仮名から実名へのトレースは、刑事告訴や民事訴訟を提起することなしに行えるシステムを構築した方が、紛争の訴訟前の解決を図りやすく、おそらく却って情報発信者にとっても利益に繋がります。
福田君が言う「同定能力」。すなわち――各発言の同一性を判断する能力というのは識別IDとしてのハンドルネームを推奨する私としても認める部分はある話だ。確かに、小倉君の言う「議論の真摯さ」を保証する助けにはなるだろう。「なりすまし防止」などの役割でな。
しかし仮に発言者間の同一性を判断出来るようになったとしても、この「矛盾」エントリで述べているような「訴訟前の紛争解決」に何の助けを与えるかがわからない。- 勅使河原
まあ、誰かと誰かの同一性がわかったとして……訴訟まで発展しかねない紛争のなんの役に立つかはさっぱりですね。
- 隊長
しかも、実際に
「知ることができる」という部分が、「住所・氏名を知る」という情報開示を意味している
という根拠は挙げたつもりだったのだが。「ネット上での紛争は、当事者間で解決する」ことを原則とするためには、紛争当事者の一方が他方の氏名及び連絡先を知ることができるシステムが不可欠です。
おっと、失敗した。「住所・氏名」ではなく「氏名と連絡先」だったよ。
- 勅使河原
あんま変わりませんけどね。
- 隊長
ま、福田君は何か言いたいことがあるなら、前後の文章のほかにも以前の文章も見てもう一度やりなおし。「小倉君は紛争を刑事告訴や民事訴訟無しで解決するために、紛争相手の氏名及び連絡先を知って何に使うのだろうか?」よし、では今日はおしまい。
- 勅使河原
後、誤読について残ってますけど?
サスケット氏の拙ブログへのエントリ「れ。トレーサビリティは巡ってなくて。」を見てみましょう。
確かに小倉君は、福田氏の言うように「具体的に個人がどのような開示請求の手順を踏むべきか」について全く説明をしていない。
前回、私が指摘した点をサスケット氏も認めていらっしゃるようです。そして今見てきたようにレッシグ氏も「具体的に個人がどのような開示請求の手順を踏むべきか」については論じていません。あくまでレッシグが述べているのは「政府の権力による侵害から私的領域を守るべき」という点です。ということはサスケット氏の小倉さんへの指摘、つまり
述べてないから問題なのだがな。審査の必要性を隠して匿名排除方向に印象操作していることにしかならんから。
という点はレッシグ氏にも同様に当てはまることになります。にも関わらずサスケット氏は小倉さんとレッシグ氏とではその本質は「全く逆」だと認識していらっしゃるようですが、おそらく誤読に基づく誤解に過ぎないと私は思います。デクラン氏がレッシグ氏を誤読しているのと同じ次元で、サスケット氏もまた小倉さんを誤読しているのではないでしょうか。
- 隊長
ふむ。前後を読めといっておる人の割に前後を読んでくれておらんのぅ。
- 小倉君は「自分の批判者の名前が知りたい」という興味本位の為に個人情報を得た後、それを何に使うのか?
- そして個人情報を得るためにどのような公開審査をするかどうかは小倉君は言っていないのでわからないが、少なくとも裁判などはしないらしい。
- もし『小倉君の上げていない部分で』無益な公開に対して適切な抑止がかけるつもりで発言しているなら、何の問題もない。無いが、読み込む限りそれを否定するような文ばかりであった。
- 勅使河原
ま、もちろん「審査しません」という断定は無かったですけどね。
- 隊長
レッシグ教授はというと――そうか福田君は白田秀彰氏の引用でもって「レッシグ教授の意見は政府による個人への干渉なので、個人による干渉とは無関係。アメリカと日本を同じに考えるな」と言いたいのかな?
確かにレッシグ教授が、個人にも制限をかけろとあの文中では明示されていないのだが、単に私は、政府に出さないものを個人には出すということは考えられないから同等かそれ以上の制限はかかるだろうと想像している。それ以外にも、レッシグ教授の弁に
「問題は必要以上の個人情報がもれないように本人がコントロールすることで
と言うものがあるので、「興味本位の相手に無為に情報を漏らそうとは考えていない」と読んだ。あって、個人情報の流通を全面禁止することではない
」だから、小倉君の言うネット上での紛争――「コメンツスクラーム!浴びた!おまえら匿名なのは許せん!裁判起こせるような内容ではないが氏名と連絡先を言え!」という流れのどこに、レッシグ教授の言う「コントロール」や「情報を得るためのチェック」の話があるのかな?ということだ。
仮にちゃんとコントロールやチェックしたら、小倉君が興味で個人情報を請求してももらうことは出来ないだろう。
故に「見たいという小倉君はコントロールやチェックによる障害を想定していない」と推測したわけだが。- 勅使河原
現実問題、チェックは今より緩やか――はっきり言えば無くしてしまわないと、小倉先生の言うようなシステムは作れないという考えなわけですね。隊長は。
- 隊長
そうなるな。今までにも何度か述べてきたと思うが。
- 勅使河原
しかし、ああも誤読誤読といわれるのは「全く逆」という言葉遣いが悪いんじゃないですか?
- 隊長
そうかもしれんな。では撤回して「レッシグ教授と小倉君は情報公開に関しての立場が逆」と言い換えよう。
- 勅使河原
では最後にアーキテクチャについて。
- 隊長
もう不要であろう。
- 勅使河原
は?
- 隊長
だってなぁ……。
なぜこのように煩雑になってしまうかというのは、アーキテクチャの問題としてトレーサビリティが低いからだと小倉さんは主張されていらっしゃいます。レッシグ氏が提唱する「仮名システム」を実装技術やコード設計の段階で克服ができれば、この煩雑さを簡略化することが可能となるわけです。
むしろ実装技術やコード設計の効果で訴訟が一回ですむ(=開示請求をしなくてすむ)と言われても何のことやらと。
以上を見ていけば、レッシグ氏が言うところの「アーキテクチャ」がサスケット氏が単に「技術」と称している程度のものではないことが分かります。「人のふるまいを規制するもの」、これがアーキテクチャです。
福田君は私を馬鹿にしてるのかね?
- 勅使河原
……悪気は無いんじゃないかと。
- 隊長
私に誤読誤読といっておきながら、悪気が無くてもこれでは困るよ勅使河原君。福田君自身の発言を自分で否定して私を批判されても困るのだよ。「うん、君のがおかしかったからね。」としか言えんだろ?
アーキテクチャとやらの話題を続けたいなら最初のエントリをもう一度書き直せと。誤読に矛盾を重ねて続行しても意味はあるまい。- 勅使河原
ま、ここでそんなこと私は言ってない合戦をしても不毛ですからね。「人のふるまい」も頭に入れて最初から仕切りなおしてもらうほうが焦点もぼやけずすっきりするでしょう。打倒な案かと。
- 隊長
だいたい小倉君は
刑事告訴や民事訴訟を提起することなしに行えるシステムを構築した方が、紛争の訴訟前の解決を図りやすく
と言っているのに、小倉さんが問題点としてご指摘なさっているのは、当事者間による裁判に至るまでの手続の困難さについてです。
だとか、矛盾しすぎなのだよ、福田君は。- 勅使河原
ま、小倉先生が「訴訟前に解決」と言っているのに、「裁判に至るまでの手続き」だけ考えてもしょうがないですからね。両方だというならわかりますが。
- 隊長
普通の相手なら多少の矛盾はよい方向に補って読み取ってもよいが、誤読を批判してくる相手のビッグな矛盾を補完して読み取るような愚かな真似はしたくないのだよ。
どうせループするか横道にそれるだけだろうから、無かったことにして最初から整理しなおさせるのが一番確実だ。
矛盾があるなら訂正すればいいだけなのになぁ…。負けた気がするのかな?
認めないと、さらに傷が拡がるだけだと気付かないかなぁ。(^^;
うん、下手に具体化すると傷を広げるということを今まで説明してきたので仕方ないかもしれないのですが(笑)
有耶無耶になったところで、「夢物語語っただけで終わってしまった」というだけなんですけどもね?
それにしても、小倉氏からなんらかの案が出ないと、福田氏との論争はただ単に「解釈が違うだけ」で済んでしまいますね。
あまり意味があるとは…。隊長、頑張ってください!!!
前後の資料を突き合わせて推測しているので、推測に矛盾があるということならわかるのですが。