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初音さんのためにみっくみく中。
中国株式市場の加熱は日本のせいなの?
http://blog.livedoor.jp/paintbox77/archives/51033428.html

当ブログでは、中国株高騰の原因は、日本マネーが中国株を買っているからだ、と、書いてきましたが、それを裏付けるニュースが出てきました(こちらを参照)。



と言う記事を見つけましたので、反論してみましょう。




まず前提として中国株にはいろいろ種類があることを確認しておいてください。

http://www.daiwa.jp/ja/products/fund/ubs_china/index.html

A株、B株、H株の市場規模。それからA株は基本的に中国国内投資家のみ売買可能と言うこと。それから、同一株式でもB株よりA株のほうが割高な傾向であることを抑えておきましょう。





UBS中国株式ファンドは中国国外マネーがA株投資可能な珍しい設定(QFII認定)のため、結構な人気を博したようですが、それでも中国A株への実質投資比率は純資産総額の50%を超えません。
三井住友・ニュー・チャイナ・ファンドにいたってはH株(香港)比率が8割以上です。
事実、QFII認定の投資限度額が今年頭に100億ドル(そろそろ引き上げ予定)。ほぼ1.2兆円です。市場規模からすれば1%に満たないのかな?
当然日本マネーは1%のうちの一部ではあるものの全部ではありません。(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0302&f=business_0302_010.shtml
(ちなみに日本上場株式市場の外国人投資家比率は約20%)

市場規模を考えても、A株への投資家制限を考えても、中国A株高騰の主要因は中国マネーでしょう。あくまでも日本マネーはごく一部です。外貨は香港市場のほうに流れているほうが多いんじゃないですかね。(http://www.daiwa.jp/ja/products/fund/ubs_china/index.html)





それから、中国人の株式投資ブームって聞いたことがないですか?(http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/news/20070521/6.html)
もっともこちらも市場規模はそれほど大きくないはずですが、それでも4月には【中国国民の貯蓄額が前月に比べ千六百七十四億元(約二兆六千五百億円)減少。資金の多くが株式市場に流れ込んだとみられ】というニュースもありました。
単純に見れば一ヶ月で日本の2倍の中国マネーが流れ込んでいる可能性があるわけです。こんな単純じゃないでしょうが。


また、機関投資家と違い、個人投資家は短期売買を繰り返す傾向が高いです。
短期売買を繰り返す中国人個人投資家にとって、印紙税率引き上げによる影響は小さなものではなかったでしょう。加熱警戒感が出ているのに買っているのは日本の投資家に限らず、中国人投資家も同じです。
ウハウハできたのが中国人なのか、微妙なところ。(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0531&f=column_0531_010.shtml)
逆に中長期投資家にとっては、今回の下落はあまり影響ない、調整局面と考えられています。(日本をはじめとした外貨は基本的に中国の経済成長率を見ていますから、中長期保有の傾向が高いです。)
事実、印紙税率引き下げを発端とした調整の中で、A株の下落と逆行して、H株は上昇しています。(http://blog.orix-sec.co.jp/archives/51240527.html




さらに

>ですが、だからと言って、日本のマネーが回り回って中国に回るのではね。

とありますが、インド株式で設定されたファンドもほぼ同規模です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070605-00000847-reu-bus_all

国内で販売されているインド株ファンドの5月末純資産残高は、前月末比2.4%増の1兆1397億2016万円となった。


http://news.goo.ne.jp/article/reuters/business/JAPAN-260608.html?C=S

4月末現在、最も純資産が大きいカテゴリーはインド株ファンドで1兆1135億円。次いで中国株ファンドの1兆0057億円となった。統計をとり始めて以来、07年2月に初めて中国株ファンドがBRICs最大のカテゴリーとなったが、再び3月はインド株ファンドがBRICs最大のファンドカテゴリーに返り咲いた。



1兆1200億円もあるから取り上げるというなら、投資対象国としてインドも同じです。【それを裏付けるニュースが出てきました】とはいえません。あくまでも中国は原因のひとつとしか読めません。
日本は中国以外にも投資していますし、中国へ投資しているのも日本だけではありません。





ですから

>中国株高騰の原因は、日本マネーが中国株を買っているからだ

というのは誤りというか、言いすぎでしょう。
正しくは第一原因として中国の投資ブーム、第二原因として世界的なエマージング市場投資が過熱と見るべきです。

BRICs、VISTA、NEXT11。聞いたことないですか?
世界のマネーは中国人の夢ではなく、新興国の経済成長率を見てるんです。

日本から中国市場への資金流入は第二原因の一角(エマージング市場の一角としての中国)のさらに一部(世界の中の一部の日本)と見るべきですから、ことさら日本の対中投資だけをピックアップする根拠に乏しいといえます。

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テーマ:中国株 - ジャンル:株式・投資・マネー